相続問題は、法的な知識や手続など、専門知識が必要とされることが多いです。そのため一般の方にとっては難易度が高く、時間がかかり過ぎてしまったり関係者とトラブルになってしまったりするリスクが大きいです。
そこで相続に関する問題は専門家に相談することをおすすめします。相続についてサポートできる専門家にもいろいろありますが、相続問題への対処に適した「司法書士」を活用する場合のメリットをここでご紹介いたします。
司法書士は法律に強い専門家です。
そして相続は法律に基づく制度であり、亡くなった方のご家族であっても法律に背く形で相続を行うことはできません。そのため円滑に手続を進めていくには法律に理解を持つ方が関与することが重要といえます。
例えば「相続手続」と一言でいっても、詳細を見ていくと次のように多くの手続が存在しています。
相続開始から一定期間内に行わないといけない手続もいくつかあって、間に合わせられないと取り返しがつきません。しかし司法書士に相談すればアドバイスを受けることができますし、代行してもらうこともできます。ご自身だけで対応するよりスムーズに手続が進行することでしょう。
相続開始後、親族間で揉めてしまうことも少なくありません。特に遺産分割に関して意見が一致せず、トラブルになり、関係性が悪化してしまうケースは多いです。
司法書士の場合、紛争発生後の訴訟対応などを専門とはしておらず、できることにも限りがあります。
しかしながら、相続開始後あるいは相続が開始する前から司法書士を活用していればその紛争を未然に防ぐことができるかもしれません。少なくともその可能性を上げることはできます。
例えば遺産分割協議の進め方についてアドバイスをしたり、遺産分割の際目安となる法定相続分についてアドバイスをしたり、その他起こり得るトラブルを想定した対処を初めから取っておくことでリスクを下げられます。
相続開始前であれば、被相続人となる方が司法書士のサポートを受けながら「遺言書の作成」をしておくことで将来起こり得る問題を回避しやすくなるでしょう。
被相続人が身近であるほど、亡くなったという事実によって受けるショックは大きなものです。気持ちの整理にも時間がかかることもあるでしょう。
しかしながら相続手続は待ってくれません。期限は刻一刻と迫っていますし、どんどんと進めていかないといけないのです。
しかもその手続は単純な作業ではなく高度な知識、判断を求められるものです。わからないことだらけの重大な手続をご自身で対処するのは、大きな不安を伴うことでしょう。
一方で、司法書士というプロに依頼することで上述の通り円滑に手続が進められることはもちろんですが、精神的な負担が和らぐというメリットも得られます。「これで合っているのかわからない」「後々大きな問題が起こってしまわないだろうか」といった不安を取り除き、安心して相続手続に向き合うことができます。
仮に手続の進め方を知っていたとしても、大変であることに変わりはありません。各所への問い合わせ、書類の発行請求、書類の作成・提出など、手間がかかることもたくさんあります。昨今はデジタル化が進んでおり自宅でできることも増えてきましたが、それでも相続人がかける時間と労力は大きなものです。
そこで司法書士が役に立ちます。司法書士に期待できるのはアドバイスだけではありません。「代行」も依頼できますので、相続人自身の時間を節約することができ、仕事や学業、家事、育児など、ご自身の時間を確保しやすくなります。
法改正によって相続手続も変化を続けています。近年でいうと2024年4月1日から「相続登記義務化」という大きな変化が起こっています。
「相続によって宅地や家屋などの不動産を取得する立場にあるなら、登記申請をしないといけない」というふうにルールが変わったのです。
これまで相続登記は任意で行うものとされてきましたが、改正法施行後は登記が義務となりました。未登記の物件があるとその後の取り扱いでトラブルに発展するリスクが大きく、親族間での問題に加え社会的な問題にもつながり得るため、義務化されました。
そして登記に関しては司法書士の独占業務であり、司法書士は「登記のプロ」と表現することも可能です。もちろん、相続登記にも対処可能で、相談・依頼を行うことで不動産を取得した方が申請に関して悩む必要はなくなります。所有権を登録するなど、登記は財産に関する重大な手続ですので一度司法書士へ相談することをおすすめします。